バショウ
別 名:甘蕉
英 名:Japanese fiber banana
花言葉:燃える思い
バナナの仲間だが、バナナとともに凶木とされている。
葉が大きく庭に植えると家が暗くなること、風で揺れる葉が不気味なことなどから想起されたのか、あるいはその大きさ故に寺院で用いられることが多くなり、負のイメージが定着したのか。特に東南は凶とする。
真偽は不明だが実際のところ、芭蕉を植えている庭は暗い。そして、花言葉「燃える思い」とは裏腹に、この植物のブームを楽しんだ世代はすでに御高齢となり、庭が廃れている様子を目にすることも多く、筆者にとってもバショウは暗いイメージがある。
すべては葉を含めてすべてが大き過ぎることにある。どうしてバナナ風のものをというなら、ポット植えのヒメバショウ(別名「美人蕉」)で代用するのがベター。
バショウとは・・・
・中国を原産地とするバショウ科バショウ属の多年草。千年以上前に日本へ渡来し、本州から沖縄まで広い範囲に植栽される。
・長さ2m近くにも達する葉がエキゾチックな雰囲気を醸し出すため、一風変わった庭を造りたいときに使われるが、あまりにも場所をとるため、住宅事情のよろしくない現代ではあまり使われない。圧倒的な存在感で他を寄せ付けない「庭木」であり、他の植物とのバランスをとるのも難しい。
・バナナとは近縁だが別種。実がおいしいバナナには「ミバショウ」という別名がある。本種にも稀にバナナ型の実ができるが、食用にはならない。なお、バナナは世界に200~300種類あるという。マニラ麻の材料になるのはマニライトバショウというもの。
・日本人であれば「松尾芭蕉」を連想するでろうが、この植物が松尾芭蕉にちなんで名付けられたのではなく、自宅にあったこの植物にちなんで「松尾芭蕉」にしたとのこと。
・一見、木のようでもあるが幹に見えるところに「木質部」がないため「草」に属する。何枚もの葉の梢が重なり合って茎のように見えるため、こうしたものは「偽茎(ぎけい)」と呼ばれる。「草」であり、冬になると地上部は枯れ、翌春に再度、発芽する。バショウの葉は根とともに頭痛、解熱の薬になるという。
・秋には直径3~5センチ程度のクリーム色の花を咲かせる。花の形状には何ともいえない気持ち悪さがある。