庭木で開運TOP > ヤマモモの剪定
ヤマモモのよもやま話
ヤマモモはオスとメスがある雌雄異株の木です。メスの木には初夏に直径2~3センチ程度の赤い実がなります。そのまま食べてもおいしいですが、風が吹くとすぐに落ちるので、まとめて収穫してジャムやジュース、果実酒に用いるのが一般的です。
ヤマモモの実は蝋のようなものに覆われています。「樹木大図説」によれば、カロライナヤマモモという北アメリカ産のヤマモモの実は、特に蝋燭を作りやすい品種だそうで、この蝋燭をクリスマスの夜に灯し、よく燃えれば翌年は家族に幸福が多くなるとしたそうです。
放っておくと
丈夫な木で肥料がなくても育ちます。これはヤマモモの根に「根瘤菌」が共生しているためです。
放っておけば高さが20m~30mにもなりますので、大きくしないように剪定するのがポイントです。また、葉と葉が重なり合うくらい鬱蒼としてくると、ハマキムシ、カイガラムシ、アブラムシ、ミノムシの標的になりますので、枝透かし剪定が必要です。
ヤマモモの剪定時期
ヤマモモの実は、前年に伸びた枝葉の脇になります。従って何も考えずに年中刈り込んでいると、一向に実がなりません。
「実はどうでもいい」場合は、温暖な時期であれば、いつ剪定しても大丈夫です。
実を楽しむ場合は3月~4月が剪定の適期です。
この頃には花の様子が分かるため、摘果(間引き)しながら剪定することができます。ヤマモモは収穫量が安定せず、実がたくさんなった年の翌年は、収穫が少なくなりがちです(「隔年結果」と言います)。
安定して収穫するには、4月中に「結果枝」(=実がなっている枝)の量を減らす必要があります。
剪定のイメージ
自然樹形は、こんもりとした楕円形で、老木になるほど円形化していきます。市販されている苗木は、枝葉の出方が荒く、棒状のものが多いです。剪定を重ねて少しずつ円形にしていきましょう。
ヤマモモの剪定方法
刈り込みバサミで刈り込むのでなく、木バサミや剪定バサミで枝抜きをするのが一般的です。
オスの木や街路樹として用いるような場合、すべての枝先を切り揃えて、きっちりとした円形に仕上げることが多いですが、メスの木で実を楽しむ場合は、注意が必要です。
ヤマモモの剪定例
左が剪定前、真ん中が剪定中、右が剪定後の画像です。
少しピンボケになってしまいましたが、葉の付け根に「花」が咲いているのが分かると思います。左の画像のまま、すべてに実を付けるのは多過ぎるので、真ん中の写真のように、三本ある細枝の真ん中を抜きました。これは多くの常緑樹で用いる剪定方法です。
隔年結果を防ぐのであれば、もっと花を少なくします。しかしこれ以上、枝を切ってしまうと、庭木としての観賞価値は下がりますので、花だけを手で摘み取ります。
全体としては、こんな感じの仕上がりになります。
実を気にしなければ、もっと綺麗な、まん丸に仕上げてもいいと思いますが、庭木としての観賞価値と収穫を両立させるには、この程度が限界でしょう。
樹冠(じゅかん)には、まだまだ気になる邪魔な枝があるのですが、一気に切ると失敗しますので、長年かけて形を整えていきます。