マツ(松)
別 名:クロマツ=男松、アカマツ=女松
英 名:Japanese pine
花言葉:不老長寿、向上心、同情
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一年を通じて緑色の葉を持ち、寿命が長いマツは「庭木の王様」、「神が宿る木」と称され、「松竹梅」でも知られるように縁起のよい木とされる。
二本一組となった葉は枯れ落ちても離れ離れにならないことから夫婦和合の象徴とされ、正月飾りなどに使われるようになった。
しかしマツは植える場所によって、その縁起が変わるようで、以下のように多くの説がある。
①母屋から離れた東南に背の高い一本松があると、その家から代々、有名人を輩出することになる。
②南、西、北西植えるのが吉。
③カシ(樫)と一緒に西に植えるのは凶。
④大きすぎるマツは凶。
⑤裏鬼門(南西)に植えるのが吉。
⑥門の両脇にマツを植えるのは凶。
⑦「南松は植えない、南天を植えよ」あるいは「難(南)を待つ(松)」で南は凶。
⑧「門かぶり」は凶。
⑨黒松は「苦労を待つ」で凶。
ちなみに「門かぶり」というのは、松の枝が一本だけ横に長く伸びていて、人はその枝の下をくぐって家に入るような作りになっている松のことである。私の近所でも多々見かける。毎年、熱心に枝を作っている御老人には聞き入れたくない説だ。
ちなみにマツという名前は「神が天から降りてくるのを待つ(=マツ)」に由来するという大仰な説もある。
マツとは・・・
・北半球の亜熱帯から寒帯を原産地とするマツ科マツ属の植物の総称。
・生命力が強く、花言葉もそれに因む。一般的な庭木は樹齢30年程度だが、マツはその10倍、300年という樹齢も珍しくはない。世界には樹齢5000年というマツもあるようだ。
・日本に自生する松は8種類(クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、ヒメコマツ、リュウキュウマツ、ハイマツ、チョウセンゴヨウ、ヤクタネゴヨウ)だが、単にマツという場合、クロマツあるいはアカマツを指す。
・クロマツはマツの中でも公害に対する耐性が高く、排気ガスにさらされても枯れることはない。また、クロマツは元来、本州の海岸沿いに自生し、塩害に強い(「三保の松原」、「虹の松原」など)。
・一方、アカマツは北海道を除く日本全域の山地に自生し、クロマツに比べると公害に弱い。
・マツは成長とともに「若松」→「根引き松」→「老松」→「苔松」と呼び名が変わる。
・マツの管理は素人では手に負えない。植木職人は「松ができるようになって一人前。」と言われており、すべての剪定技術、センスの集大成が問われる。
・マツの種は食べることができるが、クロマツやアカマツの種は小さ過ぎて流通にのらない。ミックスナッツなどに混ざっているのは中国産の松(タカネゴヨウなど)が多い。
・マツの幹に傷を付けることで採取できる松脂は、かつて野球のピッチャーが使うロジンバッグ(ボールの滑り止め)に使われた。またその昔、マツの葉を生で食べると喘息に効果があるという俗説があった。それにしてもチクチクの葉をムシャムシャと食べられますかねぇ。