イチイ(一位)
別 名:オンコ、アララギ、スダオノキ
英 名:Japanese yew tree
花言葉:高尚、悲哀、慰め
イチイはその名のとおり、学業でも商売でも「一位」になることを祈念して植えられ、昔から縁起の良い木として親しまれている。
そもそも名の由来も、飛騨位山のイチイで作った「シャク(高官や神主が持っている木の板)」の出来が良かったため、仁徳天皇が「正一位」という最高位を授けたことによるものとされる。
現代でも表札、根付、携帯ストラップ等にこの材が用いられ、学業成就、商売繁盛を謳っている。
花言葉が暗いイメージなのは、西洋イチイ(ヨーロッパイチイ)が墓地に使われることや、英雄ロビンフッドがイチイの下に埋葬されたという伝説があることから。
ただし、ヨーロッパにもプラスのイメージをもたらすエピソードがあり、イギリスが百年戦争でフランスに勝ったのは、西洋イチイで作った弓が強固で狂いが少なかったからだという。
イチイとは・・・
・イチイ科の常緑針葉樹。原産地は日本北部の深山。
・成長は遅く、自然樹形でも形が整うため単独でシンボルツリーに用いることができる。樹齢が長い。
・風や寒さに強く、暑さには弱い。関東以西の太平洋沿いでは生育が難しい。
・幼木は日陰でも育つが、成木は日当たりを好む。
・雌雄異株で、雌の木には秋に赤い実がなる。実は甘くて美味だが、種には毒(タキシン)があり痙攣や硬直を起こすので注意する必要がある。また、イチイの葉や樹皮は糖尿病の薬になるとされた。
・生垣等に用いられるキャラボクはイチイの変種であり、イチイよりも暖地に対する耐性がある。庭木としての利用はキャラボクの方が多い。