私が、自分の家にモッコクを植えているという話をすると、「モッコクって何だっけ?」という反応が増えてきました。
若い人相手ではなく、60歳前後の人と話をしていても同様です。「えっ、モッコクですよ、モッコク。」と言っても理解されず、気まずい雰囲気になります。
成長が遅く、整然とした自然樹形はかつて「庭木の王様」とされましたが、今では「マイナーな木」として認識を改めた方が良さそうです。
モッコクは、ある程度の大きさがなければ風格が出ず、風の流れがないところではハマキムシやカイガラムシにやられやすいため、現代の住宅事情において、その魅力を発揮できないのは当然かもしれません。
また、人気がない理由として更に、花や実に「これといった印象がない」こと、そして「葉っぱに特徴がないこと」が考えられます。
主張し過ぎないことがモッコクの最大の魅力で、夜にひっそりと月明かりに照らされた葉の美しさが格別なのですが、共感を得るのは年々難しくなっているように感じます。
モッコクが再度、脚光を浴びることはないかもしれませんが、私は、寺社や古い屋敷に残るモッコクの老木を見るたび、その美しさに惹かれます。
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