彼岸といえば「彼岸花」なのだが、この植物は不思議だ。私が住むところでは、毎年決まって彼岸になって急に姿を現す。
「こんなところにありましたか?」というところに顔を出し、一株を目にすると、次々に視界に入ってきて、あちこちに彼岸花があるのに気付く。
たいていは写真のような道端だったり、畦道だったりするが、中にはサツキの植え込みから顔を出しているものもいる。
球根なので、毎年同じような場所に咲くのだが、温暖な時期は地上にいっさい姿が見えないため、その存在を忘れかける。
しかし、必ず彼岸になると地上に姿を表し、放射状の真っ赤な花を咲かせ、春には地上から消え去る。それが不思議というか恐ろしいというか・・・
彼岸に咲くから彼岸花と呼ぶのだが、曼珠沙華(天上の花)とも呼ばれるその姿にピッタリの名前だ。球根に毒があること、墓地の周りに多いことなど、想像力をかき立てるエピソードも多い。
英語では「red spider lily=赤いクモ型のゆり」と呼ぶらしいがストレート過ぎる。やはり「彼岸花」だ。
気候変動が話題になることの多い昨今、いつまで彼岸の時期に咲く習性が続くのだろうか。
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