庭木で開運TOP > 造園書「作庭記」の話
造園の教科書には必ず「作庭記」という古い造園書のことが書かれています。
「作庭記」とは、日本最古の造園の教科書であり、平安時代の造園技術の集大成であるとともに、自然風な作庭の技法を後世に伝える重要な書物です。
タイトルは江戸時代に名付けられたもので、作者についても諸説ありますが、強調したいのは「作庭記」においても、樹木を植える方角、植栽による運気アップについて記載があるということです。
正確に言うと逆で、現代の我々が、植木を植える方角を気にしているのは、この「作庭記」の影響が一因と考えられます。
古い書物なので原書を転載したら、読むのは厄介です。私なりに現代語訳をすると以下のようなことが書いてあります。
もしあなたの家が、以下のような家相ならラッキーです。
・東に大きな川がある。
・南に池がある。
・西に大きな通り(道路)がある。
・北に丘がある。
どうですか、あなたのマイホームは良い家相になっていますか? 条件が合う方はラッキーです。
そうでない方も、そんなに落ち込まないでください。簡単に補う、耳寄りな方法があるのです。
ラッキーアイテムのない方角は、木を植えて補強すれば良いのです。やり方は次のとおりです。
・東に川がないなら、その代わりに柳の木を9本植えよう。
・南に池がないなら、カツラ(桂)を9本植えよう。
・西に大きな通りがないなら、キササゲを7本植えよう。
・北に丘がないなら、ヒノキを3本植えよう。
こうしておけば、出世運はアップするし、健康で長生きできるよ。
いかがですか。このお話には、「青龍」、「朱雀」、「白虎」、「玄武」という単語がでてきますが割愛しています。
平安京は、木を植えなくても、良好なロケーションであったことが知られています。すなわち、東に鴨川、西に山陰道、南に巨椋池(今はない)、北に北山です。
よく柳は縁起が悪いと言いますが、そうでもないようです。ここでは春一番に芽吹き、生命力の満ちた神聖な植物と解されています。
「キササゲ」は余り有名ではないかもしれませんが、右の写真のような植物で、湿ったところであれば日本各地で見ることができます。ノウゼンカズラの仲間で、中国原産で帰化植物です。漢方薬の原料にもなっています。
それにしても、代用品はどれもこれも、一般家庭では大き過ぎますね。川がない代わりに柳を9本も植えるだけのスペースがほしいものです。